DVD The JOYUREI

ジャパニーズホラーの名作、中田監督の女優霊。そのハリウッド版。
女優霊は、ぼくが中学生の頃WOWOWで見ました。ものすごく印象に残ってます。特撮的なものはほとんど使わず(予算的な意味で使えなかったのか、この映画に特撮は必要ないという意味でわざと使わなかったのか、ぼくは知らない)ビックリさせる作品ではなく怖がらせる作品として完成していました。正直、中田監督の次作である超有名作品リングより、こっちのがずっといいです。女優霊大好きです。
そんな女優霊がハリウッドでリメイクされてDVDになっていると聞いて、さっそくレンタルしてみました。タイトルは"The JOYUREI"そのまんまです。女優霊の日本的な恐怖をハリウッドで表現するのか。ハリウッド製のジャパニーズホラーとして仕上がっているのか、ハリウッドのホラー映画になっちゃってるのか、わくわくどきどきしながら再生しました。


再生開始1秒後「中世のルーマニアでマーティアという娘を悪魔だと思って村人が惨殺した。」ふむふむ「1928年 オルト監督がマーティアの物語を映画にしようとしたが、未完成で終わった」えっ。
開始一分ですが・・・。マーティアの霊が20世紀初頭の映画をぶっつぶしたってことですよね、これ。スタジオに居る霊の正体が、死因も悪魔の後ろ盾がついてることも込みでバレちゃってるって、どういうことなの・・・。「なんだかわからないけど幽霊怖い」っていう女優霊の怖さが開始一分で消えてなくなったんですが・・・。
そして制作会社のロゴの後、古くさい感じの白黒映画のシーン。いきなり女優の後ろの影が、なんかおかしい。すぐに「カットだカットだ」の声がかかる。どうやら例のオルト監督の話らしい。再生開始から3分後。オルト監督が直接その目で幽霊を見る。でてくんのはえーよ。バシャーンってよくわからない水しぶきが出たあと、現代の男がトランス状態のシーンに切り替わる。とおもったら、一瞬怖い顔のアップが映って大音量でギャーってなる、一昔前のネットで流行ったびっくりフラッシュみたいなカットが入る。 うん。ここまで3分30秒。よくわかったぞ。これはジャパニーズホラーじゃない。ジャパニーズホラーをリスペクトしたハリウッドホラーだわ。だめだこりゃ。
その後もやすっぽい特撮ばっしばしだし。白目をむいた目のアップのテレビ画面と、その画面から目からハエが出てくるシーンとか、完全に貞子リスペクトだし。照明が落ちてきて人が死ぬシーンでは、頭かち割れてそこらじゅう血まみれとか、ホラーとスプラッタを取り違えてる節すらあるし。でも、上から女が落ちたシーンでは、本家女優霊と同じポーズ(仰向けだけど、右足が折れてて普通じゃない角度になっちゃってる)で倒れてるし。こういう細かいところをコピーするんじゃなくて、女優霊の怖さの本質をコピーしてくれればいいのに。
もうね、あまりの方向性のズレに終始笑いっぱなし。女優霊を見たぼくからすると、完全にギャグ映画でした。わろすわろす。