本 狼と香辛料

今更ながら最終巻を読んだ。あとでいいやあとでいいやって思って居たら、ずっと放置になってしまっていた。
いやぁ、ロレンスの部外者っぷりがヤバい。あくまで一介の行商人であり歴史の大舞台の真ん中に立つことはありませんってスタイルであるとはいえ、ここまであからさまに役立たず扱いされると読んでるこっちの心が痛くなるわ。「大きな流れを作っている唯一無二の主人公の物語」ばかり読んでいるぼくたちにとって「大きな流れの中のただの行商人の物語」ってのがとても新鮮で面白く感じていたのだけど。これは「行商人が関わっている大きな流れを作っている人々の物語」って感じでちょっとなぁ。
あと「新貨幣の刻印はどうするんだろう。誰かの顔なのだろうか、それとも何かの道具なのだろうか」なんてくだりを入れるんだったら、サブタイトルを「太陽の金貨」になんてするべきじゃないよ。何の模様なのかが解るシーンでの感動がゼロだよ。
うーん。シリーズ全体として、後半は悪くないけど微妙だったなぁ。